Bonfire Design #5 @Yahoo! LODGE 参加しました
190828 Wed. Bonfire Design #5 @Yahoo! LODGE
テーマ「インハウスデザイナーと新規事業」
今回は「インハウスデザイナーと新規事業」という気になりすぎるテーマ。Bonfire自体初参加で、初めてのYahoo! LODGEに足を踏み入れる。
- LODGEはコワーキングスペースらしい。Bonfire参加者ではない方もフロア中にいっぱいいて驚いた。
- ホワイトボードが多め? ライブドローイングするからかもしれないけど、ぱっと見でホワイトボードや共同で作業できそうなスペースがあちこち目に入る。お絵描きしやすくて楽しそう。
- アウェイ感がすごい。Yahoo!のなかのひとが多いのかと思ったら必ずしもそうでもなさそうなのに何故か周りが同窓会ムード。同窓会行ったことないけど。複数人で参加してるのか、ぼっちの我浮き気味な気がして隅っこに座る。
- どのプレゼンも面白かったです! タイムリミットがあったので、懇親会は参加せず。
- ライブドローイングすごかった! ライブドローイングされてた方にお話伺ってみたかったなー。LT後の隙間時間を狙ってたけど、別の方とお話されていたので話し掛けるタイミングを見失った残念……
- 資料公開あるって知らなかったので、下記プレゼン内容ざっとメモ。
- ライブ配信コンテンツ「ワイキュー」でやったこと
- Pairsエンゲージでつくった「気負わない」世界観のデザイン
- スタディサプリENGLISH ビジネス英語コースのPdM 兼 UXデザイナーとしてやったこと
- デザイナーとしての新規事業チームでのコミュニケーションの取り方
- PayPayのスピード×ビジネス×デザイン
ライブ配信コンテンツ「ワイキュー」でやったこと
・染矢 沙織さん(ヤフー株式会社 デザイナー)
・野波 淳里さん(ヤフー株式会社 デザイナー)
1.ワイキューとは?
視聴者参加型ライブエンタメクイズ番組、全問正解者で賞金山分け。8名で7ヶ月。MLP。yahooでもちょっと特殊。
2.問題点と解決方法
問題点
- 対象ユーザが不明
- ライブ配信のノウハウがない、揃ってない
コンセプト「惰性的な日常にドキドキする瞬間を作りたい」
課題ありきのサービスでないので、対象ユーザが不明。
リーンキャンバス:課題曖昧
ペルソナ:曖昧…
やったこと
- ノウハウ揃ってない →まずノウハウを揃える
→クイズサービスを触り倒す
→UXへの興味増、チームプレイ、多様な問題ジャンル、ゲーム性の拡張などにつながった
- 対象ユーザが不明 →まず作ってから反応見て決める。社内検証。リリースまでに2回社内検証。
MC、回答時間カウントダウンなども2回目は作り込んでいたので、盛り上がりも観察できた。
ターゲットを絞らなくても、社内検証で強みや弱みを明らかにできた。明確ではないターゲットであっても参加してくれるための工夫を考えられた。
3.開発スケジュール
- 18/2 PJ指導、4メンバー増員、稼働開始、7末 リリース予定。
- デザインのリソースは2人
- 生配信、クイズ出題、賞金獲得の主要3機能に絞ってデザイン実施。
- まず擦り合わせのためのラフなワイヤーを作って進めた
- 進め方に正解はない
感想
- コンセプトはどうやって決めたんだろう? ユーザの課題や明示的になっていない価値を探る、というのもUXデザインだと思うがその流れではないということなので。
- こういう、課題や収支やビジネス条件ありきではなくて、現場のコンセプトありきで始めるサービスをリリースできるの羨ましい。どういう仕組みでリリースまで漕ぎ着けたのか気になった。
Pairsエンゲージでつくった「気負わない」世界観のデザイン
岩崎 花梨さん ◆ eureka, Inc.
Pairsエンゲージ
- マッチングと結婚相談所の両方
1.世界観について
pairsとpairsエンゲージ何が違うの?
- pairs:長期的な恋愛関係を築きたい。好きなタイミングで婚活。
- pairsエンゲージ:結婚し家庭を築きたい(1年以内に結婚)。婚活に寄り添ってほしい
世界観「ユーザの不安や疑問をコンシェルジュへ気負わず相談できるような空気感を作る」
2.人を感じられる世界観
コンシェルジュが24h365d。いつでも、気負わず、相談できる。
3.アクションを気負わせない表現
婚活の各アクションのハードルは高い(将来の結婚につながるので)
少しでもアクションを気負わせない
- 話しかけやすいモデルの選定:優しげな笑顔、ターゲット層と年齢が近い、清潔感
- コンシェルジュの言葉遣い:堅苦しすぎない、丁寧で信頼できる語り口
- ファーストコンタクトのアイコンの工夫
ファーストコンタクトでは、マッチングした男女が喫茶店で1時間で話す。ハートマークではハードルが上がりそうなのでコーヒーカップアイコンにすることで気軽に会ってみようという気持ちの喚起を狙う。
感想
- 世界観を実現するUIってすごく難しいと思うので、コンシェルジュのいる空気感の作り方や、ファーストコンタクトアイコンの件は勉強になりました。確かに結婚前提だと1アクションに対するハードルがエベレスト級だもんなぁ
- やっぱり世界観とそれを徹底できる状況を作るのって大事ですね……
スタディサプリENGLISH ビジネス英語コースのPdM 兼 UXデザイナーとしてやったこと
石黒 勇気さん ◆ Quipper Limited
ビジネス英語コースを始めた経緯
- ビジネス英会話始めた人、だいたいオンライン英会話を始める。でも話せるようになっていない。
- 基礎力を自学自習で学ばないといけないのでは、ということで、日常会話コースのノウハウがあるのでビジネス英語コースを始めた。
「事業理解を深めて、専門性を活かしてスピード感を持ってプロダクトデザインする」のがインハウスデザイナーの良いところ
1.事業理解するためにしたこと
- ドメイン理解
- ユーザ理解
- 事業戦略理解:何故このビジネスをやるのか?
- 事業責任者のビジョン理解
- 企画書を読む
- チームに浸透させるためにConfluenceで可視化する
- 事業戦略に沿ったスケジュール・優先度を整理する
2.専門性を活かすためにしたこと
- 瞬間発話プラクティス
- 紙→アプリケーションに移行
- 臨場感を強化(写真を入れてみる)
- ユーザインタビューの設計・実施する(事業責任者のSlackで10分でやること決定)
- やってみると課題が出てくる
- 狙いは学んだキーフレーズを活用させたいけど、それを使わない回答が出てきたり
- 状況と問題を限定し、キーフレーズを使うように改善
- 何百とある問題に合わせた写真が必要
- 相手を外国人に絞る
- 自分目線に絞る
- リアリティのあるライティング、質感、表情
- アプリケーション以外のデザインまで幅を広げる
- キーフレーズチェックの動画パターンテスト。動画撮影。現地チェックもした。
- 事業責任者もいるSlackにバンバンいろんなパターンや結果を流した。PJ内のデザイナーのプレゼンス向上にもつながった。
3.スピード感を保つためにしたこと
デザインする対象の取捨選択。それ以外は開発者ドリブン。
MLP実現のために2回の意思決定をした。
- プロダクトの価値にフォーカスするため。どこに価値を置くか?
- 開発工数との現実が可能なプランのため。
感想
- どの登壇者さんも面白かったけど、個人的には今回1番興味深かった。というか刺さった。私事だが丁度英語の勉強を始めたところなのも良いタイミング。
- デザイナーのプレゼンス向上や、意思決定のスピードアップに事業責任者を現場のSlackに入れるの面白い。人によっては双方共にうざがられそうなので、責任者と良い関係を築けているんだと思う。
- スコープの取捨選択と、関係者の責任範囲の明確化を徹底することで動きやすくしている印象。
- 『「事業理解を深めて、専門性を活かしてスピード感を持ってプロダクトデザインする」のがインハウスデザイナーの良いところ』そう! そうなんですよね!
- 最後に「理想的なユーザビリティと、事業の方針を擦り合わせてプロダクトを作れるのがインハウスデザイナーの強み」という感じのことを仰っていたような気がする。デザイナーもエンジニアも内製の良いところ&面白いところってそういうところだと思う。企画書とかは勿論読んでいるけど、デザインや開発を進めやすくするために事業部より事業に詳しくなるくらいを目指してるので、同じ面白さに共感して貰えたようで勝手に嬉しかった。事業方針とデザインと開発がカチッとはまるとアドレナリンドバるよね。
デザイナーとしての新規事業チームでのコミュニケーションの取り方
日野 文恵さん ◆ 株式会社ミクシィ
プレゼン資料も口頭説明も全てnoteに公開してくださっているのでめちゃくちゃ有り難かった。
https://note.mu/hin0arashi/n/nf7e5c408c0d2
行なっているワーク
感想
- mocri初めて聞いた。さぎょイプと理解。他のツールとの差別化要素って何だろう? ちょっと触ってみよう。
- 裁量権を決めておくのは本当にオススメ。ただツールの切り替えとかは予算や手続き上難しいことも多いので、「SketchからFigmaへの移行もスムーズにできた」って辺りもう少し詳しく聞きたかったなー。
PayPayのスピード×ビジネス×デザイン
藤木 恵理さん ◆ PayPay株式会社
paypay、ファイナンスカテゴリNo,1アプリ
支持されている理由:めっちゃお得(毎月キャンペーン)、どこでも使える、操作が簡単
1.開発スタイル
スピード*ビジネスのデザイン
- 要件がマネジメント層で決まっている
- スピーディーなデザインが求められる
- プロダクト責任者がデザイン責任者
スピード*ビジネス*デザインのメリット
- 早い
- 経営戦略に則って進められる
- 大規模デザインで刺激的
開発スタイル
- UXデザイン重視
- 思想案→極限ダイエット
- 週1スプリント
2.立ち上げ当初の失敗
課題
- 異文化コミュニケーションの壁:インド人上長
- メンバーケアが行き届かない:効率化のために1on1も省略。健康やメンタル、課題のケアができなかった
- チームマネジメントの課題:体制ができてない
- タスクが偏ってモチベーションが分散
- 他デザイナーの状況不明
- 共通認識がないまま進み、手戻りが発生
3.解決法
- 異文化コミュニケーション:英会話、日本語レッスンの導入。文化の違いはデータからの提案。
- メンバーケア
- シニアデザイナーとジュニアデザイナーのペアでOJT体制
- チームマネジメント
- コンシューマーと加盟店さん向けの分け方じゃなくて、1プロジェクト1アサインで責任感UP
- 夕会で毎日情報共有
- UXフローで全員共通認識を持つようにした(日本語読めないメンバーでもOK)
感想
- 異文化コミュニケーション大変そう……言葉の壁より文化の壁が高そう……
- ビジネス上要件が決まっている大型案件の立ち上げ、異文化コミュニケーション以外は概ね覚えがありすぎてずっと「それな〜〜」って頷いてばかりだった。
- やっぱり業務の責任範疇を明確にして動きやすく&責任感を持ってもらうのは大事だなー
- UXフローとかデザインは言葉の壁を低くするってのは確かになーと思った
以上。
主催及びご登壇された皆様、ありがとうございました!